「いい動画=再生回数・シェア数が多い動画」の罠 (2)| 効果的な動画のつくり方、取り入れ方

前回の記事(「いい動画=再生回数・シェア数が多い動画」の罠(1) | 再生回数・シェア数が多い動画の共通点 )で、シェアされる・再生回数が多い動画の共通点は…「動画の素材あるいは動画の提供主の影響力」×「感情の触れ幅」=再生回数・シェア数であると記載しました。

再生回数だけを伸ばしたいのであれば、上記の公式の通り、ファンを増やして刺激的な動画をつくれば再生回数は確実に増えます。しかし、動画で求める効果は「再生回数」なのでしょうか?それだけではもったいないというのが私の考えです。
動画は写真や文章よりもリアルな情報を伝えたり、音楽や編集によってより感情に訴えることができるツールです。

この動画の特徴が効果的に使えるシーンは

・雰囲気や想いを伝える
動くことでより伝わるものにフォーカスする

の2つです。

・雰囲気や想いを伝える
動画は情報量が多いため、より説明的な用途に使用されやすいですが(商品の使い方など)、実は情報量が多く「よっぽどそれを知りたい人以外は見られない」ものです。空気感や雰囲気を伝える上で、動画ほど優れたツールはありません。
たとえば…。
Googleが自社で働く環境の良さを表す際「フラットなコミュニケーション」「クリエイティブなオフィス」と言葉で伝えるよりも動画で実際に働く社員の言葉で伝えた方がよりダイレクトに理解できます。
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このとき、ポイントは「ただののっぺりしたインタビューにしない」ということです。固定したカメラに、社長や社員が延々と話すだけの動画の場合、写真と文字のインタビュー記事の方が遥かに効用があります。インタビュー記事であれば飛ばし読みしながら要点をつかむことができるからです。インタビュー記事ではなく動画を使う理由は「雰囲気やリアルな姿を伝えられる」からです。実際に働いている社員の様子、社内の風景などを同時に伝える、むしろインタビュー記事のように全てを伝えるのではなく、伝えたい要素を表す象徴的なワンシーンを連続させることで、印象に残すことができます。これが動画の効用です。

たとえば…「クリエイティブな会社」であることを伝えたいのであれば、それを象徴する要素…ギターが置いてあるデスクや見晴らしの良いオフィス、アイディアをポンポン出しているような笑顔の社員の様子といったもの…をつなぎ合わせ、社員の口から短いフレーズで感想を語ってもらう。といったように。

・動くことでより伝わるものにフォーカスする
基本的に、ネットを観る人はとてもせっかちです。普段そうでない人もネットを見るとせっかちスタンスになるのです。「で、結局何が言いたいの?」「何が伝えたいの?」が早く分からないコンテンツは観てもらえないものです。
説明書をみれば分かるノウハウや人がただ話しているもの、延々と流れるセミナーの様子など、動画でなくてもいいものは基本的に観てもらえないため、動くことでより伝わることにフォーカスすることがポイントです。
たとえば…

「世界観を伝える」
ライフスタイル・プロデューサーの村上萌さんが「毎日をちょっとのカスタマイズでより楽しく・美しくできる」をコンセプトにお部屋づくりや食材などの提案をしています。このサイトでも以前紹介しましたが「ちょっとの工夫で毎日が輝き出す」ことを伝えるために、動画で世界観を伝えています。
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「変化のプロセスを伝える」
商品やサービスを導入前と導入後でどうなるのか、あるいはセミナーやイベントに参加前と参加後でどう変化があったのか?を伝えるとき、動画が有効です。前の状態と、プロセスと、後の変化や表情は写真や言葉よりも動画の方が伝わりやすいからです。
このサイトでも紹介したIKEAの収納問題片付け隊の動画(IKEAの店員が、あなたのお家を片付けます! | IKEA 収納問題片付け隊 | 5年前に先取りし過ぎた動画プロモーションが秀逸 | シェアしたくなる動画)や、「棺に入って瞑想体験」という、言葉では伝わりにくいイベントでも、動画で体験した様子をリアルに伝えることで、どんな変化があったかが分かります。
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などなど、ここに書いた以外にも多くの楽しみ方や効用があると思います。再生回数だけを追い求めると「再生数が少ない=効果がない」と思われがちですが、実際は「購入や参加の検討段階にある人が見て、購入につながった」であったり「何かでサービスや企業、その人のことを知り、動画を観たことでよりコアなファンになった」などの効用につながっているケースも多いのです。むしろそういった「見えない心の効果」の方が大きいのではないかと思います。

動画はまだまだ、色々な楽しみ方や効果を見いだせると思っています。だけど、再生回数やシェア数にとらわれるあまり、本質的に動画が使われなかったり、断念されたりというケースを目の当たりにしてきました。そうじゃないんだということを知って、動画でより深く、多くの人とつながってもらう試みが増えていったらいいなと思います。

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