
リクルートの転職サイト、リクナビNEXTが2013年くらいから展開している動画が最近、とてもいい感じです。うまい動画の使い方をしているなあと感じられる2つのプロモーション事例をご紹介します。
- 1、JOB WATCH 「24時間お仕事ドキュメンタリー」
2013年の後半に展開したプロモーション。落語家、スカイダイビングインストラクター、新政府初代内閣総理大臣、養豚農家、マジシャン…様々な職業の人それぞれの1日に密着し、その仕事ぶりを動画で紹介しています。またこのサイトを訪れた時間によって、その時間帯に働いている職業の人のその時間帯の様子を観ることが出来るのです。
様々な仕事の舞台裏を知ることができるだけでなく、まさに「いまこの時間」の仕事ぶりを観られる(完全にリアルタイムではなく、動画自体はLIVEではなく一度撮ったものですが)ことが新しく、これぞまさにWEBだからこそできる動画ですよね。
JOB WATCH 24時間お仕事ドキュメンタリー
(http://rnn-next-1583477721.ap-northeast-1.elb.amazonaws.com/jobwatch/)
- 2、この仕事に出会えて良かった
今年の夏頃から展開しているプロモーション。「この仕事に出会えて良かった」というテーマで、アナウンサーから南三陸のホテルへ、アルティメット選手としてスポーツも仕事も両立できる会社へ…様々な思いを持って転職した3人の、転職後の思いがとつとつと語られた動画です。
「気恥ずかしいですよね…アナウンサーだったなんて」
「この年齢にして、まだ新人という感じで…」
等身大の、飾らない言葉で語っている様子に自然と引き込まれます。
「この仕事に会えて、よかった」
(http://next.rikunabi.com/yokattacm/)
この2つの動画プロモーションに共通していることは、有名な役者が出ている訳ではないこと。心にしみる言葉が語られている訳ではない。ただ、そこで働いている人。リアルな姿です。
また、リクナビNEXTというサービスの特徴を1つも打ち出していない。
言おうと思えばいくらでも実績が出てくるサイトでありながら、サイトやサービスの特徴にはあえて一言も触れずに、サービスを通じて「転職」という経験を通じてどんな変化があるのか。また「仕事」「働くこと」そのもののありのままの姿(もちろん全てを出すという訳ではないが)を出している。
一時話題になった「広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。」(本田哲也/田端信太郎・著)にも書かれていましたが、見る側はもう、つくりものの世界や一方的なCMに飽き飽きしているし、その背後にあるものを見抜いてしまう。だからこそ、あえて飾らない、リアルに近い姿を見たほうが興味がそそられるのでしょう。
そしてそれを伝えるには、動画は親和性の高いツールです。しゃべり方、仕草、所作、その場の雰囲気によってリアルをより強く感じることができるからです。
リクナビNEXTの今後の動画プロモーションも、楽しみですね。