ジドリ | 斎藤工さん編(NHK) | 自撮りでドキュメンタリーは成立するのか?

こんにちは。
突然ですが、ドキュメンタリーが好きです。
好きすぎて、それを仕事にしたくて
動画ディレクターをやってますし、仕事の休み時間に真っ先にすることは、撮りためたドキュメンタリーを観ること。結局は仕事も休みもドキュメンタリー観てるくらい好きで。

で、最近は面白いドキュメンタリー番組に出会うことが多くて、誰かに話したくてしょうがないのですが、気づくと忘れてしまう。

「だったらブログに書けばいいじゃないか」と気付いたので、出会ってキュンとなったドキュメンタリーたちをこれから、気まぐれに紹介していこうと思います。

前置きが長くなりましたが、今回ご紹介したいのは
「ジドリ」(NHK総合/2015/12/5 放送)

有名人にカメラを持たせて、自分の様子を自撮り形式で撮影してもらい、それを番組にするというもの。

その1本目、斎藤工さん編と森山未來さん編を見ました。
斎藤工さんは、いわゆるトレンディー俳優(という言い回しが現代もあるのかは知らないですが)。甘いマスクでドラマや映画に引っ張りだこの俳優さん。斎藤さんのドラマや映画は拝見したことがないのですが、以前に出演された情熱大陸を見て知っていました。
斎藤さんは大の映画マニアで、俳優としてだけでなく映画の良さを伝えるために、精力的に活動されている方なのですよね。

今回、斎藤さんの日常生活が自撮りによって番組内で明らかになっているのですが、本当に四六時中映画を見ている。移動中も休暇中も。そんな中で、カメラに向かって(自撮りなので必然的に)独り言として今日はこんな映画を見ます、とか、映画を見てどう思いました、といったことが話されていくわけです。

自撮りでドキュメンタリーは成立するのか?

この番組を知ったとき、純粋に思ったのが「自撮りでドキュメンタリーは成立するのか?」ということでした。私が知っているドキュメンタリーは撮り手と被写体は必ず別で、撮り手は第三者だからこそ、フラットに被写体の姿を浮かび上がらせるのだと思っています。それが自撮りの場合、自我が強過ぎて、見ている人にとっては自撮り特有の「かっこつけ酔い」が起こってしまうのではないかと思ったのです。

一方でスマホやSNSが普及し、自撮りが一般的な行為になってきている今だからこそ、ある意味自撮りだからこそ映し出せる姿もあるのかなと思います。

そこに興味津々で番組を拝見しました。

詳しい内容はNHKオンデマンドで観られる人は是非見ていただきたいのですが。
結論から言うと、「非常に興味深い、ただ人を選ぶ」。

今回、初回放送ということで(続編があるのかは定かではないですが)、最初の2人は斎藤工さん、そして森山未來さんでした。

最初に感じたのは「なぜ2人とも男性俳優なんだろう」ということ。
でも番組を見て分かりました。
自撮りだからこそ、この2人である必要があったんだな、と。

自撮りという行為は、ものすごく自我が出る行為だと思うんですよね。どうしても自分がどう映るか気になってしまうし、気にしている様子があけすけにカメラに映ってしまう。だから、自分の映りばかり気にしていると、本当に残酷なまでにカメラはその様子をとらえてしまう。

でも、この2人の俳優であれば、職業柄カメラに映る自分をフラットにイメージできるので、その辺の自我が出にくく、ある意味乱暴にカメラの前に素の自分をドスンと出せる。

素が見えてこそのドキュメンタリーですよね。だからその辺はこの2人であればクリアできる。 

印象的だったのは、カメラを自分で回しながらキッチンに立って、料理をしているシーン。減量中なので野菜たっぷりのスープを作りながらカメラに向かって独り言を言っている。

「大豆は信頼してる。いま一番信頼してるのは大豆かもしれない…」

とか。何気ないひとことなんですけど、これたぶん、カメラマンがいて回していたら出てこなかった”どーでもいい”一言だと思うのです。でも、そうやって人を介するとこぼれ落ちてしまう日常が垣間見られるのは、自撮りだからなんでしょうね。


自撮りドキュメンタリー = カニ味噌理論

とはいえ、素を出したはいいけど、全く想像を超えない範囲の生活でした、ということであればつまらない訳です。
俳優が夜な夜なパーティーに行って、それなりに撮影して、仲間と飲んで・・・であれば、「やっぱそうなんだ」となる。

でも斎藤工さんであれば、映画マニアの日々を、森山未來さんであれば松山のアーティストインレジデンスでの自主的なダンス漬けの日々をコンテンツにできる。

内容は、なので、こだわりを持った素のお二人の日常(私たちにとっての非日常)がたっぷりとカニ味噌のように詰まっていて、その点では面白かったです。でもカニ味噌という表現のように、自撮りドキュメンタリーはフィルターを介さない(監督はいるらしいのですが)分、とてもこってりとした素材そのままの味わいという感じがして、マニア好みなものなのかな、と思います。

でも個人的にはマニアなので、続編があれば観てみたいです。
人選が大変だろうな・・・

・ジドリ
http://www4.nhk.or.jp/P3778/

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