祖父が遺してくれたもの(個人的な手記)

とても個人的な話になってしまうのですが。いまの気持ちを残しておきたくて書きます。
祖父が他界しました。
昨日、新潟で親族だけのちいさな、あたたかな葬儀を終えてきたところです。
祖父が息をひきとった翌日、庭の桜が満開になった…と、従兄弟が話してくれました。

93歳でした。
大往生だったと、思います。

孫の私の記憶に残る祖父は、いつもやさしかった。食卓では自分の分にはほとんど手をつけず、孫たちに「食べなさい」と差し出してくれました。
黙々と毎年、お米を作り、遠く暮らす私たち親戚に、送ってくれていました。
夏休みに祖父のもとに遊びに行くと、「よく来たね!」と笑顔で頭をなでてくれ、そのくしゃっとした祖父の笑顔を観ると、本当に待っていてくれたんだと、喜んでくれているんだと心から安心したものでした。

そんな祖父が、認知症を煩ったのは7~8年前。
日に日に薄れていく記憶の中で、私に話してくれたことの多くは、戦争についてでした。
祖父は第二次世界大戦で、日本軍として戦地に赴き、命からがら、戻ってきたのです。
自分が乗ろうとして満員で見送った船が、出港してすぐ、目の前で撃沈させられたことなどを、誰に話すでもなく、語っていました。

そのことは、祖父の人生にとって、戦争がどれだけ強く記憶に刻まれざるを得なかったかということを物語っています。

孫の私にできることは、祖父が悲しむような世界にしたくないということ。
祖父が灯してくれた心の火を、どんなときも消さずに、わたしも生きていかなければと思っています。

2016.4.10

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